スマホ説教 スマホで福音

日本キリスト教団王子北教会 http://romantischeironie.wix.com/godisnowhere から福音を発信します。スマートフォンなどの画面でも読めるような、なるべく短い、キリスト教のメッセージを語れたらいいなと思います。

見上げずとも天

ヨハネによる福音書17章13節(新共同訳)

しかし、今、わたしはみもとに参ります。世にいる間に、これらのことを語るのは、わたしの喜びが彼らの内に満ちあふれるようになるためです。

彼はどこへ行ったのだろう。彼はどこから来たのだろう。彼の喜びはわたしにしみこんだ。わたしが泣いても、しみこんだものが流れることはない。

彼がきたところ、彼が行ったそこを、わたしはいつでも観ることができる。わたしのなかに永遠がしみこんだから。

 

あなたのそれはすべて

聖書 マルコによる福音書1章13節(新共同訳)

エスは四十日間そこにとどまり、サタンから誘惑を受けられた。その間、野獣と一緒におられたが、天使たちが仕えていた。

サタンが支配する悲惨な場所に、ほのかに天使が見える。天使の眼は、神の眼。

あなたの涙する目は、つねに神のまなざしと共に。あなたの痛みは、つねにイエスの痛みと共に。あなたの嘆息、それはつねに聖霊の息と共に。

なにもしない それはよろこび

聖書 マルコによる福音書4章37-38節(新共同訳)

激しい突風が起こり、舟は波をかぶって、水浸しになるほどであった。
しかし、イエスは艫の方で枕をして眠っておられた。弟子たちはイエスを起こして、「先生、わたしたちがおぼれてもかまわないのですか」と言った。

スマホを見ないで布団にもぐれるか。なにも考えないでぐっすり眠れるか。

スマホを見ないで、なにもしないで、時間を過ごせるか。

なにもしないことは、自分を見つめることだ。

たちどまろう。イエスとなら、なにもしないでいられる。

解き放たれる

聖書 マルコによる福音書2章9節(新共同訳)

中風の人に『あなたの罪は赦される』と言うのと、『起きて、床を担いで歩け』と言うのと、どちらが易しいか。(イエス・キリストの言葉)

赦すことは、相手を解き放つこと。相手へのこだわりを手放すこと*1

解き放たれた人は、じっとしているだろうか。解き放たれた人は、からだが前に出る。赦された者は、歩きだすのだ。

だいじょうぶ。そのときがきたら、好きなほうへと歩きだせばいい。解き放たれるときがくれば、見えない誰かが、そっと背中をおしてくれるだろう。

*1: 赦すἀφίημιは「相手を自由に行かせる、解放する」などの意味がある。

でっかい舟を作ろう

聖書 ヘブライ人への手紙11章7節(新共同訳)

信仰によって、ノアはまだ見ていない事柄について神のお告げを受けたとき、恐れかしこみながら、自分の家族を救うために箱舟を造り、その信仰によって世界を罪に定め、また信仰に基づく義を受け継ぐ者となりました。

わたしの人生、青空の下で箱舟を作るノアのようなもの。雲ひとつない空の下、乾いた大地の上、洪水に備え続ける人生。

いつ雨が降るのか。いつ自分の仕事が役に立つのか。みんな神まかせ。

どうせならでっかい箱舟、つくりたいね。いろんなもの入れられる箱舟をね。

自分をクラウド化

聖書 ルカによる福音書2章50-51節(新共同訳)

 しかし、両親にはイエスの言葉の意味が分からなかった。それから、イエスは一緒に下って行き、ナザレに帰り、両親に仕えてお暮らしになった。母はこれらのことをすべて心に納めていた。

意味が分からないことに出くわして「意味わかんない」とツイート。それでやめればいいのに、ああだこうだと言葉を費やして。けっきょく後味悪い。

「意味わかんない」のなら、そうツイートするまえに、いったん心に納めたらよかった。まずはそこで一呼吸したらよかった。

そう、わたしが心に納めたものは、神の心にも納められたから。これから神との共同作業で処理すればいいから。

そして必要な「とき」がきたら、ふさわしい想いや言葉を、神がダウンロードしてくれるから。

沈黙も言葉

聖書 ヨハネによる福音書1章10節(新共同訳)

言は世にあった。世は言によって成ったが、世は言を認めなかった。

礼拝堂の壁にかかるあの十字架は黙して語らず、祈るわたしを見つめている。

神の言(ことば)は、流暢に話すことばかりではない。神は黙る。気まずい沈黙に、神は耐える。だが、世はじっと黙っていることに耐えられない。世はあなたになにかを言わせようと急かし、あなたを苦しめる。

あなたがそれでもなにも話せないとき。あなたが壁の十字架のようになり、その言葉も尽きたとき。あなたはその沈黙を誇っていい。あなたは世の喧噪を離れ、神の沈黙と共にある。

あなたの沈黙に、神の祝福がありますように。