スマホ説教 スマホで福音

日本キリスト教団王子北教会 http://romantischeironie.wix.com/godisnowhere から福音を発信します。スマートフォンなどの画面でも読めるような、なるべく短い、キリスト教のメッセージを語れたらいいなと思います。

辿る

聖書 イザヤ書6章9-10節(新共同訳)

主は言われた。「行け、この民に言うがよい/よく聞け、しかし理解するな/よく見よ、しかし悟るな、と。この民の心をかたくなにし/耳を鈍く、目を暗くせよ。目で見ることなく、耳で聞くことなく/その心で理解することなく/悔い改めていやされることのないために。」

「悔い改めていやされる」と。

いやされた先になにが待つのか、分からない。

いやされるのが怖い。「いやされねばならない」事実を見たくないし、聞きたくない。

 

わたしが拒み、だから苦しい、このなにかとはなんですか。

 

神の防犯カメラ

ヤコブの手紙2章2-3節(新共同訳)

2:2 あなたがたの集まりに、金の指輪をはめた立派な身なりの人が入って来、また、汚らしい服装の貧しい人も入って来るとします。3 その立派な身なりの人に特別に目を留めて、「あなたは、こちらの席にお掛けください」と言い、貧しい人には、「あなたは、そこに立っているか、わたしの足もとに座るかしていなさい」と言うなら、・・・

私の損得、うらおもて。安心なる「私」の構築。

そこに、小さな声。「私」の「」を揺さぶり、はがす声。‟自分を愛してくれる人を愛したところで”。イエスの、かすむ声。

むり。付き合いきれない────それでも、イエスの声。拭おうとて拭い去れぬ、その幽(かす)かな声。

躊躇いも言い訳もなく、私へと斬りこんでくる声。

 

 

 

ぜひ会いたい

聖書 ローマの信徒への手紙1章11-12節(新共同訳)

あなたがたにぜひ会いたいのは、“霊”の賜物をいくらかでも分け与えて、力になりたいからです。あなたがたのところで、あなたがたとわたしが互いに持っている信仰によって、励まし合いたいのです。

励まされるほど分け与える。分け与えるほど励まされる。どちらが先か、どちらが後か。

「いていいんだよ」。いいや「どうしてもいてほしい」。わたしはあなたがたを求め、あなたがたはわたしを求め。与えっぱなしもなく、もらいっぱなしもなく。

あなたはいていいんじゃない。あなたはいなくてはならない。神があなたを呼んでいるから。神にあなたは必要だから。

「なぜ」の外

聖書 マタイによる福音書4章19-20節(新共同訳)

イエスは、「わたしについて来なさい。人間をとる漁師にしよう」と言われた。二人はすぐに網を捨てて従った。

「人間をとる漁師」というキャッチコピーに惹かれたのか。私たちがもはや知る由もないその顔や声、たたずまいに撃たれたのか。どちらも正しい。どちらも後づけ。

イエスに出遭ってしまった、すべてを捨てるほどに。なぜ、ほかの誰かではなくイエスなのか。

人は誰かを自分で選びとるのか。気がつけばその人がそばにいたのか。

すべてのなぜとその答えとの「外」にある出会い。その「外」は、あなたの日常のなかに。

受ける側の想い

聖書 マタイによる福音書3章13節(新共同訳)

3:13 そのとき、イエスが、ガリラヤからヨルダン川ヨハネのところへ来られた。彼から洗礼を受けるためである。

ヨハネがイエスに洗礼を授ける。逆ではありません。

イエスはヨハネから受け取る存在として、そのお姿を顕されます。一方的に与えるだけの、強大で完璧な、寸分の隙もない神ではない。まず、受けるイエス。

イエスはあなたに、恵みの押し売りはなさいません。イエスはあなたのちいさな行いを、ひざまずき喜んで受け取られるでしょう。

慰めてもらおうともしない

聖書 マタイによる福音書2章17-18節(新共同訳)

2:17 こうして、預言者エレミヤを通して言われていたことが実現した。

18 「ラマで声が聞こえた。激しく嘆き悲しむ声だ。ラケルは子供たちのことで泣き、/慰めてもらおうともしない、/子供たちがもういないから。」

 

子を喪った母は慰めを拒む。彼女は言う。黙ってそばにいてくれ。ただ泣き叫ばせてくれ。独り喉から血を吐くまで。

生き延びる幼子イエスは、生き延びられぬ子らの命を負う。その重みにあえぎ、沈黙する。彼は慰めを語らない。

イエスは彼女の絶叫に、黙ってはらわたをえぐられる。

すくわれるすくいぬし

聖書 ヨハネによる福音書1章14節(新共同訳)

1:14 言(ことば)は肉となって、わたしたちの間に宿られた。わたしたちはその栄光を見た。それは父の独り子としての栄光であって、恵みと真理とに満ちていた。

 

あなたが光の外へほうりだされ、うつむくとき。イエスはあなたを手招きするか、光の中から?

イエスも暗闇にいる。あなたの居場所、希望の外に。疲れ果てたあなたと、イエスも座りこんでしまう。

イエスも肉をもって生まれたから。肉は痛むし血を流すから。

それがクリスマスだから。