スマホ説教 スマホで福音

日本キリスト教団王子北教会 http://romantischeironie.wix.com/godisnowhere から福音を発信します。スマートフォンなどの画面でも読めるような、なるべく短い、キリスト教のメッセージを語れたらいいなと思います。

今、あなたと出会っている

聖書 ヨハネによる福音書12章3~5,7-8節(新共同訳)

12:3 そのとき、マリアが純粋で非常に高価なナルドの香油を一リトラ持って来て、イエスの足に塗り、自分の髪でその足をぬぐった。家は香油の香りでいっぱいになった。4 弟子の一人で、後にイエスを裏切るイスカリオテのユダが言った。5 「なぜ、この香油を三百デナリオンで売って、貧しい人々に施さなかったのか。」(中略)7 イエスは言われた。「この人のするままにさせておきなさい。わたしの葬りの日のために、それを取って置いたのだから。8 貧しい人々はいつもあなたがたと一緒にいるが、わたしはいつも一緒にいるわけではない。」

 

個人的な思い出があります。わたしが弱音を吐いたとき、友人が電話で「今すぐ行く」と言ってくれました。わたしは「君も忙しいだろう?話を聴いてくれただけで嬉しいから。いいよ・・・」、そう遠慮しました。

ちょっと変わり者の友人は、大胆にも言い放ちました。「人間、一期一会だ。明日にはぼくが死ぬか、君が死ぬかもしれない。そうしたら、この地上では二度と会えない。だから、今すぐ行くんだ。」。そして彼は、仕事をそっちのけで電車を乗り継ぐこと数時間、わたしを助けに来てくれたのです。

不遜な言い方になりますが、彼はきっと、苦しむわたしに十字架のイエスを観たんでしょう。そして何が何でも今、このわたしに香油を塗らないと後悔する。そう思ったんでしょう。

わたしもまた、目の前のあなたを最優先して、他のすべてをわきにおいて、あなたに香油を塗りに行ける人間になりたい。このマリアのように。この友人のように。イエスの言葉を思うとき、わたしは心からそう思うのです。