わたしは知らない
聖書 マルコによる福音書13章32-33節(新共同訳)
「その日、その時は、だれも知らない。天使たちも子も知らない。父だけがご存じである。気をつけて、目を覚ましていなさい。その時がいつなのか、あなたがたには分からないからである。」
わたしの知らないことがある。この、「わたしは知らない」という事実に、いつも目を覚まされる。「わたしは知らない」という消息から、何者かの気配がする。
だからわたしは知ろうとする。知ることはできないと分かっているからこそ、わたしは惹かれ、知ろうとする。わたしの知らないことを唯一人、何者かだけが知っている。その何者かをこそ知りたいと、わたしは惹かれゆく。
どうしてもわたしに分からないことは、その者にとっておいてもらおう、最期の日まで。